遠心送風機としてターボファンとシロッコファンの違い

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遠心送風機としてターボファンとシロッコファンの違い


家庭でも使われることがある送風機



ジェットエンジンにも使われることがあるターボファンは、送風機のかたちのひとつです。気体を送るということでは原理は同じで、工業用にも利用されています。パソコンなどの冷却や通気、排気といったことでも利用されるようになりました。本体のケースに取り付けられているだけではなく、グラフィックボードなどが高性能化に合わせて出てくる熱の処理にも活躍しているでしょう。とても遠いものではなく、換気扇などにも利用されているのがファンであり、そのひとつであると考えるとかなり身近にあることがわかるはずです。

家庭用の換気扇などで使われているのは、プロペラファンと呼ばれるタイプです。ターボファンやシロッコファンと呼ばれる遠心送風機とは違い、異なる構造を持っています。このプロペラファンは、径を大きくすると、単純に風量が増えるという特性を持っているため、換気扇などでも利用しやすいのが特徴です。ですが、静圧が高くならない欠点を持っています。静圧とは、気体を送る力であり空気を圧縮する力です。この力がないということは、ダクトなどを接続すると気体を送り出すことができなくなってしまうため、直接外壁に取り付けることが基本となっています。

ところが、ターボファンやシロッコファンといった遠心送風機は、静圧を高めることができる構造です。そのためダクトなどを接続し気体送り出すことができます。強い力をもっているため工業用にも利用されるようになりました。パソコンなどファン部分にも利用されているのは、小さい装置で強い力を発揮できるからです。



同じ遠心送風機としての違い



ターボファンやシロッコファンは、遠心力を利用して気体に力を与えます。これが風速になりますが、この力を使い気体を排気させていけば換気能力を持つことになるでしょう。原理的には羽を回転させることで空気を送り出すという点が共通しています。ただし、この二つは似ているようで異なる点が複数あります。

多翼ファンと呼ばれることもあるシロッコファンは、水車と同じと考えるといいでしょう。羽は狭く多数つけられています。風量を大きくするのも簡単で、静圧も高めることができます。実際にターボファンより静圧を高めることができる構造です。ここからわかる通り、燃費性能にも優れている構造といえるでしょう。基本としてシロッコファンは羽は短く前向きです。水平になっていることがほとんどで、これが大きな特徴にもなっています。羽に奥行きもあり、軸方向に長いのも区別できる点でしょう。

ターボファンは、シロッコファンと似ていますが羽のかたちが違います。後ろ向きの羽になっており比較的幅広です。枚数を比べてみると、圧倒的に数が少なく薄型にすることもできます。音として考えると、どうしても大きくなってしまうのが欠点でしょう。燃費性能としてはシロッコファンに劣ってしまいますが、それでも効率が悪いわけでもありません。静圧力でも劣ってしまうことになりますが、これは回転数を上げることで解消できるためあまり問題ではないでしょう。



換気扇として圧力損失を起こすような場所でも



ターボファンは、シロッコファンとの違いから分かる通り、大きくすればパワーが上がります。非常に単純な比較であり、実際に大掛かりなものもいろいろとありますが、そうしたものばかりではありません。小さなものもあり、高回転に耐えることもできます。一般家庭でも使われることがあり、そこまで珍しいこともないでしょう。プロペラファンとのいいところ取りなのがターボファンでもあり効率よく利用することができます。静圧が高く風量を出すことができるからこそ、工業用などにも利用されているといえるでしょう。アレンジもしやすい構造であり、さまざまなカスタマイズができるということも大きなメリットとなります。

家庭用として考えた場合、換気扇にも使われることがあります。分解が容易ですので掃除もしやすいのがポイントでしょう。浅型のレンジフードになっていることが多く、取り付け位置は天井に多く見られます。回転音がかなり響くことがありますので、少なくなってはきました。ですが、安価であるということを考えると、家庭用もまだまだ需要があるといえます。静圧が高いということもあり、高層マンションやアパートなどではかなり有効です。プロペラファンのほうが構造は簡単ですが、外風が強かったりすると、風下にあたる部分では圧力損失を起こし機能しなくなってしまう場合があります。

建物の形状や、取り付け位置によっても異なりますが、そんな時でもターボファンやシロッコファンを利用すれば、静圧が高いために強制的に排気することができるようになります。形状的には違いはありますが、送風機としてはどちらも優秀です。それぞれファンの特性を生かすことができれば、有効に使っていくことができるでしょう。

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